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新車を販売しているのは、なにもディーラーだけではありません。
小さい車屋さんから、地場の大きめのモータースでも新車を買う事ができます。
実際に営業マンをしていると、
「今回は昔からお世話になっている車屋さんから買うよ」
と言われる事があります。
この記事では何百万円もする新車をモータースで買うメリット、デメリットは何があるのかを紹介していきます。
モータースはどこから新車を仕入れているの?
ディーラーは正規ルートとして、メーカーと契約をして毎月まとまった新車を仕入れていますが、今回紹介するモータースはメーカーとの契約はありません。
では、いったいどこから仕入れているのでしょうか。
答えは「ディーラーから」です。
ほとんどのモータースはディーラーとお付き合いがありますが、それは修理やリコール作業だけではありません。新車の取引も実はあるのです。
その付き合い先はさまざまですが、一般のユーザーが利用している「店舗」、もしくはモータース専門部署である「業販課」なる部署を設けているディーラーも存在します。
モータースはこれらディーラーと通常通りの商談をして新車を仕入れていることになります。
モータースから新車を買うと安いのか
先ほど「モータースはディーラーから仕入れる」と書きましたが、その際、一般人が購入するよりも安く仕入れることができているのでしょうか?
答えは「ノー」です。
各ディーラーがモータースへ新車を卸す際、「業販値引き」という感じで値引き額は決まっています。そして、その値引き額は特別安いわけではなく、レベルで言うと中の上くらいでしょうか。
さらに、モータースは仕入れた新車に独自で用意したディーラーオプション(ナビやエアロパーツなど)を取り付けて、それらに掛かる工賃を追加で請求することで利益を得ようとしてきます。
つまり、それほど安く仕入れたわけでもない新車に利益を上乗せし、さらに工賃をしっかり請求することでモータースの利益は確保されている事になります。
これをお客という逆の立場になって考えてみて下さい。安くなるはずもなく、ディーラーで買う方がよっぽど安くなる事が分かるハズです。
一般人が直接ディーラーで新車を購入する際、通常の値引きとは別にディーラーオプションの特別値引きやプレゼントといった具合に、キャンペーンが用意されています。これをうまく使う事で、モータースよりもかなり安い金額で新車を買う事ができるようになります。
メンテナンスはディーラーで受ける方がいいのか
いよいよモータースで新車を手に入れたとしても、その後のメンテナンスは一体どこで受ければいいのでしょうか?
もちろん、購入先であるモータースで受ける事も可能ですが、やはり高いお金を払って手にした新車はディーラーで受けることをオススメします。
通常のオイル交換やタイヤのローテンションレベルであれば問題ありませんが、エンジンや足回り関係、さらには最近の車はハイテク化しているのでコンピューター関係の整備となってくると、モータースではそもそも整備が出来ないケースもあります。(コンピューターをコンピューターで整備するイメージ)
最新の車を整備するために必要な設備投資が出来ていないモータースが多いので、それだったら最初からディーラーで受けた方が安心できます。
さらに、整備して気づいた不具合箇所等も、ディーラーであれば保証を使ってスムーズに無償修理することが出来ます。リコールももちろんそうですが、リコールの一歩手前(情報やキャンペーンと言われる)も無償修理が可能です。これらのように、修理に掛かるお金の面倒をメーカーが見てくれる内容では、モータースで受ける事ができません。
普段はモータースで整備していたとしても、いざという時にはディーラーへ入庫する必要があり、結果として二度手間になってしまい大変不便に思ってしまいます。
いつもお世話になっているモータースは経営難かも
先ほど、コンピューターをコンピューターで整備すると書きました。
最近の車は昔のように単純な造りではなく、いくつものシステムをコンピューターで制御&管理しているハイテクな乗り物になってしまいました。
特に、高級車・ハイブリッド・EVなどは複雑なシステムとなっているため、ディーラーの専用機器を使ったとしても原因が分かるまでエンジニアはかなりの労力を使っています。
こんな整備を巷のモータースで出来るハズもなく、最近の車は整備出来ていない、もしくは外注(ディーラー)へ丸投げしているケースがほとんどです。
これらが原因でモータースはお客を減らしており、売り上げがかなり減っているようです。ぼくもモータースと仕事のやり取りをすることが多いですが、どこも経営は苦しそうで経営者が高齢になっているモータースはどんどん廃業していっています。
整備が安いのが売りだったモータース
もともとモータースは新車を販売して利益を出していたわけではなく、中古車を販売して利益を出していました。(特に外車は利益が大きく乗っかっている)
また、それに付随して点検&車検で安定した定期収入を得ていたことで、モータースの経営は比較的簡単だったようです。
工賃が安いモータースの点検&車検は人気がありましたが、ここ最近ではディーラーの整備費用も安くなってきました。その主な要因は、ディーラーならではのメンテナンスパックが誕生したことです。
新車購入から3年後の初回車検まで。初回車検から2年後の次回車検まで。といったように、半年ごとの点検整備をパック化することで費用を抑えられているのが人気です。
このメンテナンスパックはディーラーも儲けを度返ししているため、モータースと変わらない整備費用となってしまいました。さらに、オイルやエレメント、ワイパーやエアコンフィルターのような消耗品も純正品を取り扱っているため、メンテナンスパックはより安心して整備を任せることができるのも大きなメリットとなります。
まとめ
これらのように、今現在モータースでお世話になっている人、これからモータースを利用しようとしている人は良く考えた上で判断してください。
ちなみに、今でも儲かっているモータースは田舎で周りにディーラーが無い地区。外車をメインに扱っている。の2パターンしかないと言っても過言ではありません。
しかしながら、時代が急速に変化している現代では、ディーラーよりも先に存続が厳しくなるのは間違いなく、それは近い将来だと言えるでしょう。
古い人(概ね60代以上かな)って、こう言った販売を兼ねた修理工場を「モータース」って総称で呼ぶよね。
一般的にはそんな呼び方しないし、全く正しくないんだけど。
「○○自動車」と言った、昔からあるお決まりの店名の付け方に古さを感じた業者(業界)が、
「○○モータース」って呼称を変えただけで、それら全体をモータースって呼ぶのは世間的に通用するワケじゃない。
だって昔ながらの「○○自動車」の事を「自動車」って呼ばないでしょ。
個人経営の、食品や雑貨を扱う「○○商店」の事を「商店」って呼ばないでしょ。
普通に「お店」とか「雑貨屋」って呼ぶよね。
○○モータースの事も、一般的には「クルマ屋さん」とか「工場」「修理工場」って呼ぶし。
若年〜中年層くらいまでの人に「昨日モータースへ行ってさぁ」なんて話しかけても、
「え?モータース?何それ」
「BIGモータースで中古車でも見てきたの?」
って言われるよ(笑)
そうですよね(笑)私も入社した当初は、上司達がモータースと言っていてとても違和感を抱きました。普通に車屋さんと言った方が、一般的にはなじんでいますね。
呼び方は自由ですが、私は「車屋さん」もしくは「ショップ」の方がピンときます(笑)