今後、欧州ではコンパクトEVが主流となる!?理由と問題点

フィアット500e

欧州でコンパクトクラスの電気自動車が続々と登場し始めました。EU(欧州連合)は2021年から、自動車メーカーの平均二酸化炭素排出量を走行km当たり95gに規制しています。

規制が守れない場合はペナルティが課せられるため、これを回避するため各社は電動車の開発を事前に進めてきました。

その成果として、プジョー・シトロエン・オペル・ボグソール・フィアット・クライスラーなどが2020年モデルとしてEV販売を開始しました。また、フォルクスワーゲンはID3の受注を2020年6月から開始しています。

排出ガス規制に対応する為に車両の電動化を急ピッチで進めてきた自動車業界でしたが、今年になって新型コロナウイルス感染症という打撃を世界全体で受けてしまっています。自動車産業をバックアップするために、各国政府はECV(外部充電で走行できる車両)への支援を行う方針を新しく示し始めました。

その結果、ECV普及を強く後押しする形となりそうです。

日産ノート「eパワー」はうるさいのか?実際に運転してみるとどう?

2020年5月26日

コロナでの好調の兆し

欧州自動車工業会によると、今年の1~3月のEU15ヵ国、欧州自由貿易圏18ヵ国で販売された電気自動車は12万7000台前年同期比57%増となりました。乗用車市場全体がコロナウイルスの影響で27%減だったのに対し、電気自動車は好調な結果となりました。

また、プラグインハイブリッド車も9万6000台が売れ、120%と同じく好調な結果となりました。両方を合算した販売台数は22万3400台にも及びました。

現在、排ガス規制が厳しい国だけが好調のようにも思えますが、各国が近い将来までにガソリン自動車を禁止にする傾向にあることから、しばらくは電気自動車やプラグインハイブリッド車が主流の世の中となりそうです。

車種もさまざま

ルノーはトゥインゴ、フィアットは500e、プジョーはe208、オペルはeコルサなど、小型乗用車にECVの選択肢が一気に増えました。

ただし、販売価格は通常と比べても約2倍となり、e208のスタート価格は約366万円、フィアット500eの限定車は463万円とかなりの高額となり、2クラス上のモデルに匹敵します。

なぜそんなに売れるのか

現在の日本ではそれほど主流になっていませんが、インターネット上で契約できるEC(電気商取引)対応のステラが、販売店へ出かけないでも購入できることを背景に、コロナで苦戦している環境の中、販売台数の伸ばしました。

また、すでに予算が成立している自治体や企業が導入するECVの納車が始まったことなど、特殊な事情もあるようです。販売関係者からは「一般のユーザーの購入はそれほど多くない」という見解もあるとのこと。

とはいえ、スペインでは前年同期比43%増、ドイツは63%増、フランスは150%増、イギリスは200%増、という実績。商品の充実がECVの販売台数を押し上げるという事実はあるようです。

2018年の新車販売台数に占めるECV比率はドイツ2.0%、フランス2.1%、イギリス2.5%、イタリア0.5%というかなり低い数字でした。これに比べれば2020年の1~3月期は飛躍的に台数が伸びたことが分かります。

ネックはやはり価格か

同じサイズで装備がより充実しているエンジン車と比べて約2倍というECVの価格は、多くのユーザーにとっては受け入れにくいです。実際のところ、ECVは国や自治体がどれくらいの補助金を出してくれるかが普及のカギとなり、それは日本でも同じです。

これは昨年の中国で補助金が大幅カットされた時、途端にECVが売れなくなった実態や、EUで最もECVが普及しているノルウェーが輸入税と付加価値税を免除し(30%)、道路税半額、有料道路もフェリーも無料で、さらにはラッシュ時にはバスレーンを走れるという手厚い優遇策を講じて、やっとECVが売れるようになったという事例からも明らかとなっています。

今後さらに手厚い優遇を検討か

EU委員会および各国政府は、ポスト・コロナの経済回復策の中でECV優遇策の実施を検討しているようです。

  • フランス…自動車業界に約2440億円を支援し、同時にECV関連の技術開発補助金を約1220億円の基金を創設する方針。また、個人の購入に対して国が払う補助金を現在の約73万円から約85万円で引き上げる計画。
  • ドイツ…4万ユーロ以下のBEV購入者に対し、国と地方自治体で合計約110万円を支払う方針。

フランスの補助金約146万円と比べると、ドイツの金額は少ないです。これには、既存のエンジン車も大量に生産する自動車メーカーに配慮している背景があるようです。

今後の動向

コロナ後は、幅広い業種で失業者の増加や収入の減少が見込まれます。今後、クルマが売れるかどうかは未知数であって、それは誰にも予想が出来ません。

クルマは必需品でありながら、贅沢品でもあります。まずはコロナ前のようにしっかりした給料が確実に入るようになるまで、景気の回復が絶対条件となりそうです。

また、自動車業界ではCO2期生に対応するため小型車のマイルドハイブリッド化や、軽量化なども進める必要があります。こうした技術改革に伴って、コンパクトカーの量販車が値上がりしています。日本では軽自動車であっても200万円を超える金額が当たり前となってしまっていますが、これは新車需要にとってはマイナスの要素になります。

EUのECV普及策は、ユーザーに受け入れられるかが重要であり、コロナ収束後の欧州の景気動向にかかっていると言えます。

日産IMKの価格は?軽自動車と同じサイズでお手頃な電気自動車になりそう

2020年2月4日

関連する記事



コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

アバター

こんにちは。おクルマニアです。 既婚で子持ち、持ち家(ローン地獄w)で幸せな毎日を送っています。 トヨタ系ディーラーの営業マンをしながら、当サイトを運営しています。現役の営業マンが教える値引き情報や安く買う方法、下取りを高く売るノウハウや新型車情報をタイムリーに紹介してきます。 現役だからこそ分かる情報をみなさんにお伝えし、幸せなカーライフを送って頂ける手助けをしたい。そんな想いを込めて運営していきます。