トヨタ自動車は欧州部門にて【GRスープラ2.0】(Toyota GR Supra 2.0)の欧州導入記念モデル、
「富士スピードウェイ・エディション」を限定200台で発売しました。
あえての2リッターで軽量化
今回新たに追加されたスープラ2.0の2リッターエンジンは、3リッターに比べて100kgの軽量化を図り、これにより動力性能が強化されました。
6気筒に比べて4気筒エンジンはコンパクトな設計となるため、エンジンを車両の中心により近くなるように配置することが可能で、理想的な50:50の前後バランスを確保しやすくなります。これにより応答性や俊敏性など、高いハンドリング性能を実現しました。

2.0リットル直列4気筒ターボエンジンには、ツインスクロールターボチャージャーを装着。モーター駆動の可変バルブタイミングシステムは、運転状況に応じて吸気バルブと排気バルブの両方の開閉を正確に制御し、すべてのエンジン速度で高トルクを達成しているようです。さらに、吸気側の可変バルブリフトによってポンピングロスを減少させ、エンジンの効率を引き上げています。
排気からツインスクロールターボチャージャーまでの経路は、シリンダー間の排気ガス干渉を抑えるために、2つに分割されている。これにより、ターボはより低いエンジン回転数で作動し、ドライバーのスロットルにダイレクトに反応する。ブースト圧は、電動ウェストゲートバルブによって、細かく制御される。これにより、優れたブーストレスポンスが得られるという。
ツインスクロールターボチャージャーを備えた2リッターエンジンは、最高出力258hp、最大トルク400Nmを発揮。ローンチコントロールシステムを起動させるとわずか5.2秒で100km/hに到達し、最高速度は3リッターターボエンジンに匹敵する250km/hとなります。ちなみにトランスミッションはZF製の8速ATで、パドルシフトが付きます。
特別装備

富士スピードウェイエディションは、メタリックホワイトのボディカラーに赤いドアミラーを装着。19インチのアルミホイールはマットブラック仕上げでかっこよくまとまっています。
内装は、カーボンファイバー製のダッシュボードと赤・黒のアルカンターラ内装があり、カラーはTOYOTA GAZOO Racingをイメージしているようです。
また、通常モデルではオプションとなる、アダプティブバリアブルサスペンションやアクティブディファレンシャル、スポーツブレーキシステムを含むスポーツパックと、ナビゲーションシステムとオンラインサービスがリンクしたコネクトパックのすべての機能が標準装備されるのも富士スピードウェイバージョンの特徴です。
特に、アダプティブバリアブルサスペンションシステムは選択中の走行モードや路面状況に応じて4輪のショックアブソーバーの減衰力を連続的に最適に制御し、走りと乗り心地を高い次元で両立します。
また、アクティブディファレンシャルは加速時と減速時の両方で作動し、瞬時にレスポンスして、ゼロからフル、100%ロックまで切れ目なく調整できる。
ふたつのパックで満足度はマックス
コネクトパック
ナビゲーションシステムとオンラインサービスへの接続機能をセットしています。まだ細かい機能については公表されていませんが、ディスプレイオーディオでデフォルトとなっているナビ・オーディオ・地図更新やオペレーターサービス等の機能は標準装備となるでしょう。
また、ライバルとなるGTRに搭載されているようなサーキット内の地図や水温・油圧・回転数・ターボ等の詳細が分かるメーターも表示することができる可能性もありそうです。
スポーツパック
上記で紹介したアダプティブバリアブルサスペンション以外にも、大容量のブレーキを搭載するなど魅力がたっぷり。
スポーツブレーキは、Supraのロゴ入りの赤いブレンボ製キャリパーが装備され、フロントは4ピストン。リアはシングルピストンとなります。大型ブレーキディスクは、フロントが直径348mm、リアが345 mm。
ECUも富士スピードウェイエディション専用となり、ステアリングホイール・スロットルとブレーキの圧力・エンジンとホイールの速度・ヨーレートなどの幅広いデータをモニターし、アクチュエーターを最適に調整してくれる優れもの。
ECUによってフロント左右の車輪のトルク差は、運転状況に応じて、柔軟にスムーズに制御されます。
これによって、ブレーキングおよびコーナリング時の安定性が向上し、ドライバーがコーナーなどで立ち上が時にフル加速する時、可能なグリップ力を最大まで引き出してくれるものとなります。サーキットでスポーツモードを選択すると、高速走行でより効率的なコーナリングが得られるように、システムが最適化されます。

ふたつの走行モードで味付けが変わる
ドライバーの好みや場面に合わせて走行モードが自由に選択できるのも魅力的です。
ノーマルモード
車両の安定性と乗り心地のバランスが良く、乗り心地を犠牲にすることなく出来る限りスポーティなドライブを可能にしてくれるモード。通常の一般道ではこのモードで事足りる。
スポーツモード
フラットな車両姿勢でロールを抑え、より機敏なステアリングレスポンスを実現する。アクセルのレスポンスが格段に良くなり、エギゾースト音が大きくなり、パワーステアリングに重みが増します。トランスミッションは、高回転域がわずかに長く保持されるように調整されるため、常に高回転から加速できるようになる。
日本に導入されなくてもショックじゃない
今回紹介した富士スピードウェイエディションは、残念ながら欧州のみの販売となります。
しかしながら、日本国内で一新される次のイヤーモデルも50馬力アップされるという事なので、ノーマルで購入し、必要最低限カスタムするのもありかもしれません。
富士スピードウェイエディションのように最初からチューニングされているモデルでは、そこから自分でカスタムしていくと設定が大きくズレ、ECUを含めたすべてのバランスが崩れる可能性があるので個人的にはオススメできません。
にしても、50馬力アップした加速感とエギゾースト音が早く聞きたいものです!
コメントを残す