3年前にヴェルファイア。1年半前にハイエースを買って実際に両方所有したことのあるぼくが、これからどっちを買おうか迷っている人の参考になればと思い、この記事ではリアルな情報をお届けします。
見た目はどちらもカッコイイので結局は好みの問題
これを言ってしまったら元も子もないのは分かっていますが、結局のところ「好みの問題」かと。
ハイエースのエクステリアは無コツで男らしいイメージで、ちょっとイカツイ人が運転していればさらに迫力が増します。なおかつ、何年にもわたってほとんど見た目の変わっていないそのデザインに憧れる人も多いです。
カクカクしたボディーの形。楽天などにある無数のカスタムパーツで自分好みにカスタムしたい人にはオススメです。

対して、ヴェルファイアのエクステリアは大型フロントグリル・ヘッドライト・テールレンズ・アルミホイール・メッキパーツ等威厳と高級感の両方を兼ね備えています。
アルファードも同じですが、ミニバン史上これ以上ない存在感を放っていて、所有するステータスも感じられるハズです。
ぼくの個人的な好みでは、ヴェルファイアの方が好きでした。ハイエースの見た目がどうこうと言うよりも、モデルが長すぎてさすがに古臭さを感じてしまったからです。

インテリアは高級感か使い勝手を優先させるかによる
ヴェルファイアとアルファードのインテリアは実に高級感に溢れていて、インパネ・スイッチ類・メーター・シート等すべてにおいて一級品で構成されています。
特に、エグゼクティブパワーシートの座り心地は格別で、飛行機のファーストクラスに乗っているかのようです。
また、静粛性にも優れていて外から中に入ってくる騒音はほとんどありません。さらに、天井などにはイルミネーションなどの光の演出によってプレミアム感も強く感じられます。
内装の質感は国産のミニバンの中では間違いなく最高級ですが、大型シートの影響もあって意外と室内は広くありません。特に、荷室の広さは狭く、キャンプやサーフィン、スノーボードなどの趣味を持つ人には使いにくいです。

対してハイエースは、ベースがバンという事もあってインパネの質感はとてもチープです。シートの座り心地もお世辞にも良いとは言えず、長距離の移動ではかなり疲れてしまいます。
さらに、アルファードやヴェルファイアとは違って外からの騒音はダイレクトに室内に入ってきますし、エンジンの位置も運転席と助手席の真下にあるのでエンジン音も正直うるさいです。しかも、夏は暑い風が、冬には冷たい風が隙間風となっていろんなところから入り込んできます。

しかし、ハイエースといえば様々なカスタムが人気を支えていて、ベットキットを組んだり、バイクを乗せたり、キャンピングカーにしたりとアクティブな趣味を持っている人にとっては最高のクルマです。

ぼくの場合はサーフィンや釣り、車中泊が趣味なので、ハイエースの室内をカスタムして万能な仕様にしています。しかし、分かっていても乗り心地には正直嫌気がさしているレベルですが、ヴェルファイアでは正直使い勝手が悪すぎます。
止まっていればハイエース、走行中であればアルファードやヴェルファイアがいいですね(笑)
実際に運転してみた感想
実際に乗っていたヴェルファイアのエンジンスペックは2500㏄のCVTで、最高出力は182馬力です。一見して物足りない馬力に感じてしまいがちですが、個人的には十分でした。
ぼくは過去にも300馬力オーバーのスポーツカーに乗ってサーキットを攻めたりもしていましたが、そんなクルマ好きからしてみても不満はありませんでした。
もちろん、欲を言えばいろいろと感じることはありますが、高級ミニバンを運転する上でそんなにパワーは必要ないだろうというのがぼくの考えです。キビキビそしてパワフルに走りたいのであれば、それ相応のクルマを買うべきではないでしょうか?
さらに、静粛性はかなりレベルが高く申し分ありません。ロードノイズ、風切り音、エンジン音はほとんど気にならなかったです。CVTもいい意味でそれを感じさせず、CVTに違和感や不快感を感じる事はありませんでした。
あえて言うのであれば、コーナリングはミニバンという事もあってロールが強めでしたし、7人をフルで乗せたときのブレーキの効かなさは恐怖を感じることもありました。
対してハイエースはと言うと、ぼくが乗っているのはワイドボディのため選択肢は少なく、ガソリンエンジンの2700㏄に乗っています。
ガソリンであろうとディーゼルであろうと、ハイエースの騒音は気になるどころのレベルではありません。乗り心地や静粛性のためにはほとんどコストを掛けていませんので諦めるしかありません。
サスペンションやブレーキングも含めて全てにおいて「ザ 商用車」に仕上がっていて、分かっているつもりで買っても後悔する人が多いのも事実です。
特に、後部座席に家族を乗せるようなファミリーには正直オススメできません。車に乗って家族みんなで遠くまで旅行なんて、夢のまた夢です。
パワーに関しては、ディーゼルであればトルクが太いため低速から中速での加速は十分ですが、高速道路などの高速域での伸びがありません。それになによりディーゼルエンジン特有のカラカラ音と振動はとても疲れてしまいます。
ガソリンエンジンではトルクの細さ、非力さが目立ってしまいますが、実際に乗ってみて「まぁ~そんなに問題ないかな」という感じです。
確かにトルク不足によって上り坂などでは頻繁にキックダウン(1速下がること)が頻繁に起こってしまいますが、高速域ではガソリンエンジンならではの「伸び」があります。
なにより、ディーゼルエンジンに比べてエンジン音と振動はかなり少なく、排気ガスもそこまで臭くありません。我が家のハイエースは後ろをベッドキットに改造していて、ぼくがサーフィンしている間アイドリングをしながら嫁さんや子供たちが過ごすこともあるので、音と振動を考えればガソリンエンジンで正解だったと思っています。
安全性ではハイエースが劣る
いくつかに分けて説明していきます。
まずは単純にドアの厚みですが、ハイエースはバン、ヴェルファイアは高級ミニバンなので、運転席と助手席、スライドドアとバックドアの厚みが全然違います。特に側突された場合の強度はハイエースの方が劣ってしまいます。
次に、ボンネットの長さです。ヴェルファイアはセダンと同じようにエンジンはボンネットの中にありますが、ハイエースの場合は運転席と助手席の下に配置されています。これによって2列目シート以降の室内長を稼いでいるわけでありますが、安全面ではマイナスポイントになってしまいます。例えば、正面から車や壁、特にトラックに後ろから追突してしまった場面などでは、ボンネットの長さとエンジンがクッションになるヴェルファイアは格段に安全と言えます。

次に、自動ブレーキ等のセーフティーセンスです。アクセルの踏み間違い、夜間でも人に反応する自動ブレーキ、車線の真ん中を走る機能、車間距離を保ちながら自動で加速と減速をする機能など、ハイエースには無い最新のシステムがアルファードとヴェルファイアには採用されています。
最後に、クルマ本来の安全性です。アルファードとヴェルファイアは高級ミニバンというだけあって、VSCやトラクションコントロール、サスペンションやタイヤ性能によって、そもそものベースが安全面では大きく貢献しています。
しかし、ハイエースはバン特有の板バネ、頼りにならない細くバン用に採用されているタイヤ。荷物を300㎏載せて初めてパフォーマンスを発揮するよう設計されている車の重心設定など、日常でなおかつ乗用車として使用されることをあまり想定していません。実際に、ハイエースはフロントが重くリアが軽すぎるため、2WDでも4WDでも後輪は非常に滑りやすく、雪道やぬかるみ以外でも、雨の日の急な坂道でも滑ってしまいます。

リセールバリュー
アルファードとヴェルファイアのリセールバリューは、現在の国産車の中でもランクルに匹敵するほどの高さをキープしています。しかし、3500㏄やハイブリッドではダメです。あくまでも2500㏄ガソリンエンジンが高く、それ以外は買う時は高く、売る時は安いという最悪の運命を迎えてしまいます。
また、ハイブリッドであれば燃費もよく、ガソリンの差額でリセールバリューの差額を埋めることができるのではないかと思われがちですが、残念ながらそれは非現実的です。車両本体価格の差額は約100万円あるのに対し、実燃費の差は2km/Lほどしかありません。何年何万キロ乗れば元が取れるのか、電卓を叩けばすぐにわかるはずです。
対してハイエースは、リセールバリューが高いのは知っての通りディーゼルエンジンです。しかし、売れ筋のスーパーGLでの価格はディーゼルエンジンとガソリンエンジンで約60万円ほどとなっています。
単純に売却時だけでこの差を覆すことは不可能なため、自分が何年何万キロ乗るのかをよく考え、燃費の差(3km/L)と軽油とレギュラーガソリンの差額を計算してから購入しましょう。
ちなみにぼくの場合は、年間走行距離1万km、購入から4年後に乗り換える予定だったこともあってガソリンエンジンを購入しています。
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