販売台数として伸び悩んでいるトヨタの水素自動車「ミライ」。伸び悩んでいる理由には大きく2つ挙げられます。
ひとつ目は「価格」。補助金制度をうまく活用すれば500万円程度で手に入れることができますが、それが無いとしたら700万円もする高級車です。同じ価格帯であればクラウンの最上級グレードやレクサスES、ベンツやBMWも手に入れることができます。車好きからしたら、ミライよりも他に手を出してしまいそうですね。また、今は200万円の補助金が受けられますがいつこの制度が無くなるか分かりません。
ふたつ目は「水素ステーション」。一番の要因が水素ステーションの少なさです。特に東京・愛知・大阪以外の県では水素を補充するステーションがあまりにも少ない為、実用的ではないのが現状です。国としても数を増やしていく計画ですが、少しずつ増えていくようなのでまだまだ時間が掛かりそうです。

そんなトヨタのミライですが、販売台数を伸ばす為、さらには世界にトヨタの技術力をアピールするためにフルモデルチェンジされることが決まりました。ちなみに東京オリンピックではトヨタ製の自動運転の水素バスが運行される予定です。
トヨタの新型ミライはクラウンがベース
大型の水素タンクを2個必要とする水素自動車ミライは、そのスペースを確保する為に前輪駆動(FF)かつボテッとしたボディーが印象的です。しかし、次期ミライは水素タンクを前にひとつ、後ろにひとつそれぞれ置くことでクラウンと同じシャーシの後輪駆動(FR)に変更しました。これにより低重心化と現行ミライよりも室内空間を広くすることに成功。ボテッとした印象から、クラウンのような低重心でシャープなボディーへと進化させます。
次のミライは低重心とTNGAによって、究極のエコカーにも関わらず「走って楽しい」車となりそうです。特に走って楽しいと感じるための絶対条件と言われる後輪駆動化(FR)によって、運転するフィーリングは現行ミライとは大きく違ってくるはずです。
トヨタの新型ミライは人気のクーペスタイル

最近のセダンは「クーペスタイル」が人気となっています。ベンツ・BMW・アウディと同じくクラウンもクーペスタイルへと変貌しました。これによってクラウンは見事成功した訳ですが、次期新型ミライも同じくクーペスタイルへと変わる予定です。
しかも、後部座席後方の三角窓は新型クラウンよりも大きくなるという情報があります。つまり、クラウンよりもさらに、よりクーペスタイルになるという事です。下手したらクラウンよりも高級感があって、ドイツ車よりもスポーティーでカッコいいデザインになるかもしれませんね。
トヨタの新型ミライ・エクステリア

全長が大きくなると言われているボディーと、それによって伸びるボンネットによってサイドラインの迫力は現行とは比べ物にならないほど増します。
ヘッドライトはレクサスのISやヴェルファイアと同じように、鋭い形状でフロントフェンダーへと伸びるトヨタの「お得い」にプラスして、ターンシグナルが別置きになることが最大の特徴です。いわゆる2段構えとなることが濃厚です。

新型のミライのフロントフェイスは、プリウスやアクア、CHRと同様の台形のグリルが採用され、ミライの特徴となっている逆L次の大型インテークはそのまま継承される予定です。また、ボンネットの薄型化とは逆に、トランク部分は厚みのあるデザインとなるので、横から見た印象は「クーペスタイル」そのものとなります。
トヨタの新型ミライ・インテリア
全長が伸びることによって座席の足元空間に余裕が生まれ、500万円(実質700万円)という高級車に相応しい室内となります。

特に大きく進化する部分は、ナビゲーションとマルチインフォメーションディスプレイです。PHVやプリウスと同じく、テスラに採用されている縦置きの大型ナビゲーションが設置される予定で、この画面で既存のナビ機能にプラスして水素情報を細かく管理できます。特に1番のネックとなっている水素ステーションへの案内をより親切にすることで、ユーザーの不安を無くすことが最大の狙いとなっています。また、マルチインフォメーションディスプレイでは様々な表示を可能にしており、エコ情報や燃費情報を管理しつつ、ゲーム感覚で究極のエコカーを楽しむことができます。
営業マンから見た新型ミライ
現行でも実際に運転をしてみると、アクセルを踏んだ時のレスポンスの高さや瞬時にマックスパワーで反応するエンジンは他の車では体験できない「独特の楽しさ」があります。
価格も高いですが、デザインと水素ステーションの少なさがネックになっている現行ミライ。補助金が継続して受けられるのであれば、フォルムが格段にカッコよくなり、水素ステーションの数も増えているのであればオススメできます。
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