ヴィッツの後継として生まれ変わった新型ヤリス。それまで海外でヴィッツをヤリスとして販売してきたトヨタが、フルモデルチェンジをきっかけとして日本でもヤリスへと名称を変更しました。
ヴィッツの後継と言っても、実際にはボディー骨格や足回り、エンジンやミッションなどすべてを一新した力作となっています。
ボディ形状は5ドアのハッチバックで全グレードが統一されているものの、パワーユニットは1000㏄・1500㏄・1500㏄×ハイブリッドの3種類が設定されています。また、トランスミッションは現在では主流となっているCVTが採用されていますが、個性派モデルとして6速MTも用意されているのも特徴的です。
今回の記事では、万人受けではないものの、一部の個性派ユーザーから支持されるであろう「6速MT」について紹介していきたいと思います。
エンジンと足回り

直3ガソリンエンジンの排気量は1500㏄で、これに6速MTが組み合わされていることになります。
最高出力は120ps。最大トルクは145Nmとなっていて、6速MTだから特別な点は無くCVTと共通のスペックとなっています。しかし、CVTではどうしてもアクセル→エンジンの反応までタイムラグがあり、出だしや加速時のもっさり感があります。それに対して6速MTは、120psのパワーがダイレクトかつタイムリーに感じられる印象です。
また、サスペンションもGRのような特別な点は一切なく、通常のCVT仕様と共通となっています。つまり、6速MTだからと言って「特別なスポーツモデル」という訳ではなさそうです。
しかしながら、ヤリスはそもそも「走りを意識して」開発されたモデルで、GRのような特別装備やチューニングをしていなくても生まれ持った動力性能はかなり優れています。
運動性能はかなりハイレベル
タイトなコーナーを攻めたときに発生する横Gや減速Gは、それなりの価格がするクラウン等に比べるとやはり大きめではあります。しかし、それが根本的な挙動の乱れになってくるほどではありません。その足回り性能はサーキット走行でも楽しめるレベルです。
ただし、折角の高性能サスペンションやボディー剛性を最大限引き出すためには純正のアルミ&タイヤではなく、メーカーオプション設定になっている185/55R/16に変更することをオススメします。これにより、純正よりも扁平タイヤになる事でグリップ力がアップします。

また、一般的に使用頻度が多い回転数である2000rpm付近でのトルクは特に太く、1500㏄エンジンに小さなターボが付いているような感覚です。一般道でのトルクフルな感覚は、日常での運転ストレスをかなり軽減してくれる事にも繋がるので大きなアピールポイントとなりそうです。
この評価の高いエンジンをさらに良くしている点は、純正のシフトです。1500㏄の6速MTとなればシフトチェンジが頻繁に必要となってくる訳ですが、ヤリスの場合、このシフト操作がかなりスムーズに出来ます。さらに自分好みのシフトノブに変更してしまえば、より思い通りのシフト操作が可能となります。
ちなみに、トラック等でよくあるシフト飛ばし(1速→2速→4速)も、トルクフルなエンジン&スムーズなシフト操作によって可能にしているのもヤリスの特徴です。

ヤリスの主要スペック一覧
価格(Zグレード) | 1,871,000 |
全長/全幅/全高 | 3940/1695/1500 |
ホイールベース | 2550㎜ |
トレッド | F 1480/R 1475 |
最低地上高 | 145㎜ |
車重 | 1000kg |
最高出力 | 88kw(120ps)/6600rpm |
最大トルク | 145Nm(14.8kgm)/4800~5200rpm |
燃費 | 19.6 |
サスペンション | F ストラット/R トーションビーム |
ブレーキ | F ベンチレーテッド/R ドラム |
最小回転半径 | 5.1m |
まとめ
ヤリスのMT仕様は特別スポーティという訳ではありませんが、「1500㏄のエンジンを最大限楽しみたい」「お手軽にMT車に乗りたい」など、気軽に乗れる唯一の国産コンパクトカーです。
86やBRZは唯一の国産スポーツカーですが、価格は300万円前後します。車高もかなり低く、乗り降りや段差などを考えると日常使用では不便です。しかも後部座席の居住性はほとんどなく、常に1人か2人で乗るようなクルマです。
それに比べてヤリスは、200万円程度で乗る事ができますし、5ドアハッチバックというボディ形状から日常シーンでは不便な点はありません。
気軽に乗れる6MTヤリスを一度真剣に検討してみてはいかがでしょうか?
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